空になったダンボールを縛ってまとめるのは僕の役目だ。
この歳になるとなかなかの重労働でツラい。
それを見ていた妻の詰子が気を利かせて言ってくれた。
今から出かけるから、私が集積所まで持っていくわ
ありがとう。
でも、重いけど大丈夫?
これくらいなら大丈夫
じゃ、玄関の前に置いておくから頼むね〜
わかった
僕は縛った段ボールを玄関ドアの横にある下駄箱の前に置いた。
その段ボールをずらさないと外に出れない位置だ。
そして僕は部屋に戻った。
しばらくすると玄関ドアの開く音がしたので、詰子が出かけたな、と思った。
しばらくしてから玄関に行ってみると……。
なんと、まだダンボールがあるではないか。
えぇ〜っ、なんでこれを見逃した?
完全なるひとりごとである。
声を発せずにはいられなかった。
絶対に、わざと避けて出ていったと思った。
詰子が帰ってきたので、聞いてみた。
ダンボール忘れていったね
あぁ〜、忘れた
えっ!?
今?
……今、思い出した
わざと避けて出ていったよね
いや〜、全然見えてなかった
見えてない?
いやいや、避けて行ったよね?
避けてませんけど……。
全然ストレート
あとがき
アマゾンなどの通販が充実して、自宅まで重たいものや大きいものを運んでくれるので、とても便利な世の中です。
しかしその反面、段ボールが家の中にどんどん溜まっていき、それを捨てるのも一苦労。
段ボールって重たいんだよな。
女性でひとり暮らしの人って、どうしてるんだろう?
今のところ自力で処分できますが、体の自由が利かなくなったときに、子どもがいない僕たちに同じようにできるか心配です。
さて、詰子もなかなかのボケぐあいですね。
僕も人のことは言えませんが。
50を過ぎたころから物忘れが激しさを増してきたように感じます。
日に日にボケボケが増してますが……まぁ、何とかなるような気がしてます。
みなさんも似たようなことがありますか?
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