60階で見た夕立のショー

日記

あべのハルカスの大阪マリオット都ホテルに泊まっている。
チェックインをしたときに、展望台の入場引換券をもらった。
妻の詰子はランチビュッフェでお腹がいっぱいになったようで、部屋に戻って休むという。
そんな訳で、これからひとりで行くことにした。

先ほどまで晴れていた空は、だんだん雲行きが怪しくなってきた。
とはいえ同じビル内なので気にすることではない。

16階のチケットカウンターで入場券を受け取り、展望台直行エレベータに向かう。

前まで来ると、スタッフのお姉さんがパンフレットを渡しながら案内してくれた。

「60階の展望台まで45秒で到着します。エレベータを降りると、正面が北側になります。ただ、今は少し曇っているようです」

展望台に着くと、確かに曇ってはいるものの、特別悪いわけでもない。
ちょうどガイドが眺望について説明をしているところだったので、立ち止まって聞くことにした。

「正面が大阪城です。手前に四天王寺、左に天王寺公園、茶臼山、天王寺動物園、さらに左に通天閣が見えます」

説明はさらに続く。

「視線を戻しまして、正面をずっと遠くに持って行くと、小さく”太陽の塔”が見えます。分かりにくいので右隣にある観覧車を見つけてください。肉眼で確認できます。その少し左側に白いものが……『あれかな?』と思ったやつが太陽の塔です」
「ハハハハ」

さすが、説明が上手くて面白い。

説明を聞きながら景色を眺めていると、正面の真っ黒な雲が次第にどんどん大きくなり、先ほどまで見えていた大阪城一帯が灰色の雨柱に吸い込まれていく。
夕立だ。

まるでCGのように景色が変化していき、ときおり稲光が地上に突き刺さる。
まさに“生の気象現象”を目の前で見ている感覚で、思わず興奮して写真をバシャバシャ撮ってしまった。

こちらに近づいてくるかもしれないと思い、しばらく待ってみたが、どうやら来ないようだ。
しびれを切らし、展望台を一周して部屋に戻ることにした。

詰子に報告する。

「曇ってるから眺めがよくないかなと思ったけど、逆に夕立が見えたよ」

詰子も雨柱を見たことがないだろうと思い、撮った写真を見せる。

「ふ~ん。ホントだね~」

頷いて相槌を打ってくれたが、全く興味がないようだ。
そんなものかもしれない。

あとがき

男の子は虫や乗り物にはじまり、チャンバラ、戦隊ヒーロー、格闘技、さらに火事や事故など、危険なものに興味を示す動物だと何かで読んだことがあります。
確かにその通りかもしれません。
僕も子どものころ、公道を自転車で無意味に競争したりしてましたね。
今から思えば危険だし迷惑だったな。
これは本能でしょうか?
詰子は女の子ですから、僕とは脳の作りが違うということでしょう。

帰りのエレベータで16階まで降りると、あべのハルカス美術館があります。
この日は「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」が開催されていて、多くの人でにぎわっていました。2026/07/04-09/09まで。

美術や絵画に興味はありませんが、こんな僕でも”ゴッホの跳ね橋”くらいは知っています。
あとから調べると、この絵は普段、ドイツのヴァルラフ=リヒャルツ美術館にあるようです。
たまたま僕が旅行で大阪に来ていて、本物のゴッホの絵が目の前の美術館で展示されていたのだから、見ておけばよかったかな。
夕立の写真を撮って喜んでいる場合じゃないな。
ゴッホ展に興味を持つくらいの教養がいるかも……。

さらに調べてみると、なんと、この展覧会が名古屋市美術館で2026年9月19日(土)から11月29日(日)まで開催されるとのこと。
大阪の次は名古屋に来るということだ。
ん~、これは何かの縁かもしれないな。
詰子に声をかけてみよう。

雨柱。大阪城一帯が灰色に。

パンプレット

入場券

展望台ではコナン君があちこちに。コラボイベントやってました。

あべのハルカス美術館の立て看板。「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」

ホテルに戻ってラウンジで休憩。

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