沖縄旅行4日目の夕方。
今日は朝からずっと食べている。
朝食を食べ、川かみ鮮魚でせんべろを楽しみ、今はクラブラウンジだ。
椅子にもたれ掛かり、まったりしていると、外国人観光客がホテルスタッフに何か文句を言っているのが見えた。
少し距離があり、英語なので内容まではわからない。
何を怒っているのか、とても気になる。
妻の詰子に聞いてみた。
何て言ってる?
ハハハハ……
大笑いする詰子の心の声が聞こえてきて、つい声が出てしまった。
あぁ〜びっくりした
どうして?
詰子ちゃんの心の声が聞こえてきた。
何て言ってた?
『わかるわけないだろ』って言ってた
おっ、そのとおり。
珍しく当たったね
それにしても、ホテルには世界中からいろんな人が集まる。
しばらくすると、今度は声のデカい関西弁を話すおじさんがクラブラウンジに入ってきた。
そのおじさんは女性スタッフを呼び止め、アイスのカフェラテを注文した。
しかし、ここのラウンジはコーヒーマシンで自分で作るシステムだ。
それを女性スタッフが説明する。
「グラスに氷を入れていただいて……」
「あっ、自分でやるシステムなんだ」
そのやり取りが丸聞こえだ。
詰子が確認するように言う。
オツトくんも、あのおじさんと同じくらいの声のデカさだからね
マジで?
あんなデカい?
そう、全ての会話が全員に聞こえるレベルだよ
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(俺も世界中から集まるいろんな人のひとりだったのか)
あとがき
沖縄は観光地、ハイアットは外資系のホテル、インバウンドで外国人観光客が多い……理由は広範囲に及びますが、ホテルにはいろんな人が滞在しています。
国によって常識も違い、観察していると気づくことも多く、僕のひとりごとなんてかわいいもんです。
僕は家でもひとりごとを言っているようで、詰子から指摘されます。
ひとりごとを言うことは大したことではありませんが、大声というところが厄介なので困っています。
しかし、この性格で50年も来てしまいました。
今さら直るとも思えないので、このまま第二の人生を楽しむつもりです。
ところで、僕は詰子の心の声がよく聞こえるのですが、その度に詰子に報告して、その真偽を確かめます。
ほとんどの場合「オツトは私のことをわかっていない」と否定してきますが、僕は結構当たっていると感じています。
こんなふたりなのに、それでも一緒にいると結構楽しいので不思議です。
第二の人生、あと30年くらい、仲良くやっていきたいと思います。
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