歳を重ねるにつれ、物忘れが多くなり、ムダな動きが増えている。
例えば、物を取りに行ったにもかかわらずその辺に置いてきたり、また取りに戻ったりと、自分でも嫌になる。
そんな僕を見て、妻の詰子が不思議そうに言う。
「オツトくん、その行動、よくしてるよ」
「あいかわらず、すごいバカにしてくるな」
「バカにしてない。気づいてないかなと思って」
気づいているに決まってるが悔しいので否定してみる。
「俺はそんなことをやってない」
「ほらね、でしょう~。ハハハハ」
「『でしょう~』って言うのやめてくれる?」
「ハハハハ。でも、すごいやってるよ。不思議だもんその動き」
よく見ているなと感心する。
「それってオツトくんの定番の動きなんだって。例えばコップと鉛筆を部屋に持って行きたいときは、まずコップを持って行って、戻ってきてから、鉛筆持って行くみたいな。なんで一緒に持って行かんのかなって思う」
「いつも一緒に持って行ってるつもりだけど、『あれ? 鉛筆無いじゃん』ってなってるんだよ」
「大体そういう動きだよ。一発で持って行くことはない」
「はぁ、忘れちゃうんだよな」
「忘れてる感じじゃないんだよね。わざとそうやってるように見えるよ」
「やっぱり、あいかわらずバカにしてくるな」
「ハハハハ」
あとがき
僕は若いころから、一度にひとつのことしかできないんですよね。
最近はその傾向が強くなってます。
僕の母はもうすぐ80歳で動きも遅く、物忘れも激しいです。
詰子に言わせると、僕の動きがその母と全く同じなんだとか。
仕方ないですね。
父が他界してから、母は実家で一人暮らしです。
ワンパターンの生活がよくないですね。
母は週に2回デイサービスに行きます。
行くと他人と会話もするし、刺激を受けるので、調子が良いようです。
僕も普段話す相手は詰子だけですので、少しは外に出たほうがいいのかも。
気をつけないとな。

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