ポストを開けると宅急便の不在票が入っている。
妻の詰子宛の荷物だ。
そのことを詰子に伝えると、荷物を受け取るように頼まれた。
そんな訳で、今日中に受け取らないと詰子に怒られてしまう。
ドライバーに電話をして再配達を依頼する。
ここからの時間が長い。
もちろんどこにも行けないし、風呂にも入れず、おちおちトイレにも行けない。
ひたすら待つだけだ。
2時間ほどすると呼鈴が鳴った。
オートロックを開けて無事に荷物を受け取ることができた。
届いたのは、45リットルゴミ袋くらいの大きな紙袋で梱包された荷物だ。
重さは軽いがゴツゴツしている。
詰子が仕事で使う大切な物なのかもしれない。
詰子に渡す。
「詰子ちゃん、すごく大きい荷物が届いたよ」
「あれ？ 何だろう？」
詰子が封を開けて中身を取り出す。
「あっ、ビスコ5個だ」
「びすこごこ！？」
あとがき
非常食です。
非常食にも賞味期限があるので、買っては食べてまた買って……ということを繰り返しています。
つまり、詰子のおやつ。
このサイズの袋からの、
ビスコ5個。
詰子ちゃん、宅急便はいつでも俺が受け取るからね。
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