アイスカフェラテとアイスティー

日記

ハイアットセントリック金沢に滞在している。
僕たちにとって朝食のビュッフェは楽しみのひとつだ。

朝食会場に着いて、受付で部屋番号を伝えると席に案内された。
色とりどりの料理が並び、美味そうな匂いが漂ってきて食欲がそそられる。

席につくとホテルスタッフが聞いてくる。

スタッフ
スタッフ

お飲み物はいかがいたしましょうか?

僕は食後にコーヒーを飲むつもりだった。

オツト
オツト

今は結構です

スタッフ
スタッフ

かしこまりました。
ごゆっくりお過ごしください

このやり取りを見ていた妻の詰子が言ってくる。

詰子
詰子

オツトくん、間違えてるよ

オツト
オツト

えっ?

詰子
詰子

飲み物を聞かれたらアイスカフェラテとアイスティーでしょ

オツト
オツト

あー、間違えた

詰子
詰子

ーーーー(相変わらずだな)

僕は思い出した。
アイスカフェラテとアイスティーを頼んで詰子がそれら2杯を飲むというのがいつものパターンだった。

翌日の朝食。
席に案内される。
同じミスをしないのが僕のモットーだ。

スタッフ
スタッフ

お飲み物はいかがいたしましょうか?

オツト
オツト

アイスカフェラテとアイスティーをお願いします

スタッフ
スタッフ

シロップはいかがいたしましょう?

オツト
オツト

お願いします

それを見ていた詰子がニヤニヤしながら言う。

詰子
詰子

オツトくん、いい感じだよ

オツト
オツト

知ってるよ〜。
やればできるからね

詰子
詰子

なら、いつもやってほしいよ

オツト
オツト

ハハハハ

さらに翌日の朝食。
ホテルスタッフとやり取りをするのに特別な能力は必要ない。
アイスカフェラテとアイスティーを頼めばいいだけだ。

しかし、不思議とイレギュラーな事は起こる。
人生はそんなものということを悟る瞬間だ。

前日と同様、アイスカフェラテとアイスティーが運ばれてきたが、シロップがなかった。
スタッフが持ってくるのを忘れたのだ。
僕が持ってきてもらうようにお願いしていると、そのタイミングで詰子が料理の盛られた皿を片手に戻ってきた。

詰子がテーブルの上を見て、シロップがないことに気づく。
スタッフは急いでシロップを取りに行った。
ちょうど詰子とスタッフがすれ違った格好だ。

詰子
詰子

オツトくん、シロップがないよ

オツト
オツト

今から持ってきてくれるよ

詰子
詰子

ふ〜ん

オツト
オツト

あのさ~、そういうときは俺じゃなくて、あのオジサンに言ってくれる?

詰子
詰子

ハハハハ

さらに翌日の朝食。

オツト
オツト

詰子ちゃん、今日はアクシデントなくアイスカフェラテとアイスティーにたどり着けるよ

詰子
詰子

ホントかな~?
また、上手くいかないんじゃない?

オツト
オツト

まぁ、見ててよ

席に着くとホテルスタッフが話してくる。

スタッフ
スタッフ

おはようございます。
山田様、今日もアイスカフェラテとアイスティーでよろしいですか?

めちゃくちゃ上手くいっているではないか。

オツト
オツト

お願いします

しばらくしてアイスカフェラテとアイスティーが運ばれてきた。
もちろんシロップも忘れていない。

オツト
オツト

ほらね、上手くいったでしょ

詰子
詰子

いやいや、オツトくんは何もしてないよ

オツト
オツト

ハハハハ

あとがき

人生、上手くいくときもあれば、いかないときもあります。
アイスカフェラテとアイスティーを注文するだけですが、たったこれだけのことでも、短い期間にいろんなことが起こりました。

詰子ちゃん、第二の人生は長いからいろんなことがあると思うけど、上手くやっていこうね。

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