焼酎とアロマ

日記

僕は寝酒に焼酎のお湯割りを飲む。
台所でスマホをいじりながら飲むのがいつものスタイルだ。

リビングから鼻をすする音が聞こえてくる。
振り返ると、妻の詰子がティッシュを手にしていた。

「詰子ちゃん、どうしたの?」
「鼻が詰まった」

そう言うと、詰子は小瓶を取り出し、襟元に液体をちょんとつけた。
数分もしないうちに、台所までその匂いが漂ってくる。

「……くさっ」
思わず声が漏れる。

「ハハハハ」
詰子は笑った。

「何か臭ってきたよ」
「アロマエッセンスつけたの」
「はぁ〜、焼酎を楽しんでいたら、くさい臭いが襲ってきたよ」
「ハハハハ。アロマじゃん」
「くさいわ〜」
「はぁ〜、気が合わんな〜」

あとがき

僕は香水や芳香剤などのニオイが苦手です。
たまに詰子が部屋に芳香剤を振りまくのだけれど、その度に昔の便所のニオイを思い出します。
1980年ごろのシャルダンとかサワデーとかのニオイ。
別に芳香剤を否定しているわけではありませんよ。
単に僕が苦手というだけの話です。

さて、世の中、加齢臭がするオジサンは嫌われるけど、香水がきついオバサンも厄介ですね。
それを僕みたいなオジサンが言うと、そのオバサンに嫌な顔をされるから、さらに厄介。

満員電車で強い香水がすると、気持悪く、下手をすると頭痛がしてしまいます。
「ちょっと香水がきついですよ」と言ってあげたほうがその人のためになると思うんだけどな。

僕はそう思いながら、焼酎の湯気の向こうで鼻をしかめるのでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました