妻の詰子とスーパーマーケットにやってきた。
いつものように詰子がカートを押しながら、ふたりで並んで進んでいくと、陳列棚の切れ目に差しかかった。
次の島へ進むか、それとも左に曲がるか。
そこで僕たちの動きがすれ違った。
詰子は右側からふいに左へと身を翻し、僕はそのまま前へ進もうとした。
次の瞬間、カートが僕にぶつかってきた。
つい、大声が出る。
「わぁ~っ」
「もう~、オツトくん、ぶつかってこないで」
「いやいや、ぶつかってきたのは詰子ちゃんじゃん」
「はぁ~、言っとることが爺さんだもん」
「ジイサン? なんでそうなるの?」
あとがき
どこからジイサンが出てきたのでしょうか?
人のせいにして意味もなく文句を言ってくる、ということをジイサンと言ったのかな。
とりあえず、ぶつかったのは僕ということで話は落ち着きました。
さて、この日スーパーに入店したのは19:30ごろ。
この時間帯になると生鮮食品に値引きシールが貼られます。
売り切るためですね。
これが結構面白くて、つい10分前まで適正な価格だったものが30%引きや半額になり、そこに人が群がります。
売れ残りなので、たいした物は残っていないんですけどね。
でも、なぜか得した気分になるから不思議。
まだまだ、詰子と一緒にこの先の人生を楽しめそうです。
コメント