妻の詰子がチャーハンを作っている。
作りたてを皿に盛り、キッチンカウンターの上に置く。
次に冷蔵庫を開けグラスに飲み物を注ぎ、それを持ってダイニングテーブルにつく。
「詰子ちゃん、チャーハンを忘れてるよ」
そう言ったとき、顔がニヤけてしまった。
詰子が透かさず反応する。
「あのさ~オツトくん、『忘れてるよ』ってバカにするんじゃなくて、『はい、どうぞ』っていう優しさはないの?」
「え~っ、親切で教えてあげてるのに、なんか怒られてますけど……」
「ハハハハ。親切じゃないの。気が利かないの」
あとがき
いつもの会話です。
大事なものをその辺に置いてそのまま忘れてくる、という老化あるあるです。
このようなことは日常茶飯事で、レンジで温めた飲み物がそのままだったり、炊飯器の炊飯ボタンを押し忘れたり、キリがありません。
まぁ、今回は僕の気遣いが足りないということですかね。
詰子ちゃん、今度からは「はい、どうぞ」って気を利かせるからね。
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