なんか…変

日記

妻の詰子が姿見の前で服を着ている。
通販で買ったので確認しているようだ。

服は大きめサイズのブカブカの被りのワンピースで、暑い夏にはもってこいの服だ。
詰子が不思議そうな顔で言ってくる。

詰子
詰子

服が……なんか……変

オツト
オツト

ん~、前後ろが反対じゃない?

詰子
詰子

マジで?

そう言って、前後を逆にして着直す。

詰子
詰子

ホントだ

オツト
オツト

ハハハハ

そのあと、詰子は仕事に行くため、出かける用意をして玄関に向かう。
サンダルを履き、行ってきますと言って出かけて行った。
すると、すぐに戻ってきた。

オツト
オツト

どうしたの?

詰子
詰子

サンダルが……なんか……変

サンダルの左右を変えて履き直す。

詰子
詰子

あれ!?……変じゃないわ

オツト
オツト

ーーーー

あとがき

歳を取ると若いころには考えられなかったようなことが起こります。
感覚も鈍くなるし、前後ろ逆でも、左右逆でも、気にならなくなる。
というか、どうでもよくなる。

この程度ならまだいいのですが、もっと酷くなると命に関わってくることもあります。
横断歩道のない場所で道路を横断する、暑い部屋にいるのにエアコンをつけない……などなど。

僕たちはまだ50代ですが、それでも今後のことが心配になります。
老人の体力をサポートする技術が、どんどん進んでほしいな。

例えば、電動アシスト自転車はもう当たり前。
農作業用のアシストスーツというものもあるらしい。
中国では既にロボットタクシーが走っています。

そうやって考えると、今から心配しても仕方ないか。
僕たちが老人になるころは、もっと技術が進んで暮らしやすい世界になっているはずと考えたほうが良さそうですね。

詰子ちゃん、安心して、何とかなりそうだよ。

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