妻の詰子と外出の用事がある。
今日中に行く必要はないのだが、行くなら17時までに行きたい。
オツト
どうする？
今日、行くの？
できれば、風呂に入ってから行きたいんだけど
詰子は少し考え、右手の人差し指で風呂を指しながら言ってきた。
詰子
まぁ、とりあえずお風呂入れてきて
早くやれと言わんばかりだ。
詰子
あのさ、今からお風呂の湯を入れるんでしょ？
今度は顎で風呂の方向を指して、クイクイと首を振ってくる。
僕も負けてはいられない。
詰子がしたように、顎で風呂を指しながら言う。
オツト
湯をいれないと、入れないでしょ
それを見た詰子はハハハハと笑いながら、冗談っぽく大げさにクイクイやって見せてきた。
オツト
あいかわらず、クイクイやってくるね
詰子
嫌なの？
気に入らないの？
オツト
嫌じゃない
詰子
嫌じゃないの？
オツト
うん、嫌じゃないけど、面白いから笑うと詰子ちゃんが怒ってくる。
それが嫌だ
詰子
面白いの？
そう聞くので、もう一度詰子のマネをして口をとがらせ、オーバーアクションで顎を突き出してクイクイやって見せる。
すると詰子が大笑いをする。
詰子
ハハハハ
オツト
面白いでしょ？
詰子
面白いね
あとがき
このあとは外出することなく、ゆっくりお風呂に入りました。
僕たちは二人きりのとき、悪い癖ですが、面倒だと指や顎で指してしまいます。
それだけ二人の信用度が高いということだと思っています。
もちろん、外ではやりませんよ。
さて、我が家の顎クイは、世間で言われている顎クイと全く別物です。
それにしても、顎クイとか壁ドンとか、うまい表現ですね。
どんどん新しい言葉が出てきてついていくのに必死です。
無理についていこうと思っていませんが、新しい言葉を聞いて「なるほど」「うまい表現だな」と思うことは多々あり、勉強になります。
こういったことも楽しめるような、余裕のある第二の人生を送りたいです。
コメント