梅雨に入り、じめじめとした不快な日が続いている。
妻の詰子は傘をさして歩くのが嫌な人で、多少の雨なら濡れたまま行ってしまう。
これから仕事に出かけるようだ。
「詰子ちゃん、今日も雨だよ」
「はぁ〜、どのくらい降ってる? 今から仕事に出かけるんだけど」
「まあまあ降ってるよ」
「傘がいるくらい?」
「詰子ちゃんなら、傘なしで行っちゃうかな」
「あのさ〜、私だって傘が必要なときもあるからね」
二人で玄関のドアを開けて確認すると、ザーザーと音を立ててかなり降っている。
「詰子ちゃん、やっぱり結構降ってるよ」
「ん〜、どうしようかな? まぁ、このまま行くわ」
そう言って詰子は傘をささずに、そのまま雨の中を歩いて行った。
あとがき
ワイルドだろ~!?
そういえば、スギちゃん、最近見ないな。
たとえ夫婦でも人の価値観や常識は随分違うものだなと考えさせられます。
僕は絶対に雨に濡れたくない人なので、雨の日は極力外出しません。
雨だから出かけないというのが僕の常識ですが、詰子は違うようです。
雨の日の外出に限らず、エアコンの設定温度、卵焼きは甘めがいいか否か、マヨネーズのフタをしっかりと閉じるかどうか、ハサミを置く場所を固定するかどうか……など言いだしたらキリがありません。
それでもお互いの意見を尊重しながらやっていくしかありません。
第二の人生を考えたとき、まだまだ先の方が長いのです。
相手の意見を尊重することの重要性を再確認した日でした。
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