何よりも健康が第一で、ありがたいものです。
日記 いつか行く道
実家に帰る。母は1年前に脳梗塞を患い、それ以来記憶がおぼつかない。様子を見るために定期的に帰ることにしている。「ただいま〜。調子はどう?」「変わりないわ。」「それは良かった。」困っていることがないか母に確かめると、電波時計を指して言う。「こ...
日記 歯とハサミとトンテキの攻防戦
琵琶湖マリオットホテルに来ている。朝食会場には、色とりどりの料理が並び、まだ眠気の残る身体をやさしく刺激してくる。ソーセージをひと口かじった瞬間だった。前歯に、鋭い痛みが突き刺さる。「あぁっ、ダメだ」思わず声が漏れると、妻の詰子が顔を上げた...
日記 平泳ぎに決まっとるがや
琵琶湖マリオットホテルに来ている。妻の詰子とプールでひと泳ぎすることになった。「ひと泳ぎするか」そう言ったものの、僕は泳ぎが得意ではない。一応、沈まずに進むことはできるが、遅いし、すぐに息が上がる。対して詰子は、高校まで水泳部に所属していた...
日記 今日は診察の日
妻の詰子は医者の勧めでリベルサス(血糖を下げる薬)を服用している。巷で痩せる薬と言われているものだ。主な副作用として、吐き気、食欲減退などがあり、体調のいい日もあれば悪い日もあって、一様でない。詰子が診察を終えて車に戻ってきた。「詰子ちゃん...
日記 いつの間にか、たんこぶ
夕方、リビングに向かうと、妻の詰子が額に手を当てながらこちらを振り向いた。「オツトくん」呼ばれて顔を上げると、彼女はどこか不思議そうな表情をしている。「なに?」「なんかね、記憶がないんだけど……ここに、たんこぶができてる」そう言って、前髪を...
日記 痛みのない夜
僕は歯が悪い。近ごろは、歯が染みて美味しく食事ができない。歯医者に通っているが、先生の方針でなかなか神経を抜いてもらえなかったが、いよいよ今回抜くことになった。治療を終えて帰宅すると妻の詰子が聞いてくる。「どうだった? 抜いてくれた?」「う...
日記 そのビタミンC、そんなにすごいの?
右手の中指の爪に縦に線が入っている。しかも薄くなってペラペラしている。最近、爪が割れたり欠けたりすることが増えた。妻の詰子に相談してみる。「詰子ちゃん、最近、爪が割れるんだよね」詰子が顔だけこちらに向ける。「そうなの?」「うん。ビタミン不足...
日記 今日は診察の日
妻の詰子は1ヶ月ごとに血液検査のために診察を受けている。その検査で一番注意しなければならないのはHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)という値だ。食事に気をつけないといけない。駐車場の車内で待っていると、診察を終えた詰子が戻ってきた。「詰子...
日記 染みない日
僕は歯が悪い。上手く噛めず硬い食べ物が苦手だ。それに加え、熱い飲み物や冷水が染みるようになってきた。食事の度にストレスになり、楽しむどころかただの試練になってしまった。その症状は酷くなるばかりだが、どういうわけか、今日は違った。料理を口に運...
日記 噛めないけれど、笑える
僕は歯が悪く、52歳で入れ歯をしている。歯はすっかり弱り果て、かつてのように硬いものを豪快に噛み砕くことはできない。煎餅を食べていると、上手く噛めずクチャクチャ言ってしまう。妻の詰子が言ってくる。「オツトくん、クチャクチャ言ってるよ」そんな...