ハイアットリージェンシー那覇に滞在している。
これから妻の詰子と食事に行くところだ。
エレベーターを待っているが、なかなか来ない。
「オツトくん、エレベーター、来ないね」
「エレベーターも忙しいんじゃない?」
「いや、エレベーターも沖縄時間なのかもよ」
「なるほど」
それはさておき、僕たちは何を食べるか悩んだが、詰子が串を食べたいと言うので、末廣ブルースに来た。
豚の串焼きが有名なお店だ。
モツ煮込みと数本の串、そしてビールを注文した。
ビールとモツ煮込みが運ばれ、乾杯する。
それから15分ほど経過した。
「串が来ないね」
厨房を見ると串を打っている。
「今から仕込んでいるみたいだけど……あれを焼くのかな?」
「ハハハハ、そうかもね」
夕方前の時間だったので、仕込みをやりながら営業する時間帯だったのかもしれない。
そんなことを考えていると串が焼き上がり運ばれてきた。
美味い。
豚ハツが最高だ。
詰子が言う。
「多分、みんな沖縄時間なんだよ。オツトくんはまだ沖縄時間になっていないみたいだね」
「そういうことか」
「私はもう慣れたよ」
「さすが、詰子ちゃん」
別の日。
那覇に来たときは、せんべろに行くことにしている。
詰子には行きたい店があるようだが混んでいたり、営業時間が合わなかったりで、お目当ての店になかなか行けない。
今回は昼の空いているであろう時間を狙って行き、足立屋に寄ることができた。
足立屋はせんべろで有名なお店だ。
椅子は数席あるのみで、僕たちは店外で完全な立ち飲みスタイルだ。
観光客相手の店かもしれないが沖縄の雰囲気を感じることができ、料理も安くて美味しいので満足である。
僕には飲みすぎ注意報が発令されているので、ビール1杯と焼き串を数本頼んだ。
ただ、ここも串が出てくるのに時間がかかった。
「詰子ちゃん、ここも時間かかるね。やっぱり沖縄時間なのかな。たまたまかな」
「もう文句ばっかり言わないで」
「言ってないよ。素朴な疑問だよ」
「ふーん」
「それにしても立ちっぱなしは疲れるね」
「また文句言ってる」
「いやいや、詰子ちゃんも疲れてきたでしょ?」
「確かに疲れてきた」
「ほれ、見てごらんなさい」
いつものくだらない会話であるが、僕としては楽しい。
ほろ酔いになったところで詰子に言う。
「さあ、そろそろ帰ろうか?」
「いや、もう一軒行く」
「もう一軒行くの? 元気だね。大丈夫?」
「うん」
「どこに行くの?」
「川かみ鮮魚」
川かみ鮮魚 魚坊 (イユボウ)、ここもせんべろの有名店である。
お刺身盛りとお好きな一品の合計二品、ドリンク三杯で1000円税込みだ。
もちろん美味い。
家の近くにこんな店があったら毎日通ってしまう。
店は空いており、座ってゆっくり過ごすことができた。
ここまでくると飲みすぎ注意報はぶっちぎりだ。
千円でベロベロとはよく言ったもので、満腹の千鳥足である。
このあと、ホテルに戻り2時間も昼寝をすることになった。
沖縄グルメといえばタコライスも外せない。
タコライスも店によって味は様々だ。
今回はJAM’S TACOS 国際通り店に行くことにした。
ビルの3階に入っているお店である。
店の前までやってくると、詰子が悲しい声で言う。
「3階まで階段じゃん」
詰子にとって階段は大敵である。
「しょうがないよ。行く? やめる? どうする?」
「行く」
モチベーションはかなり高いようだ。
3階まで上がると繁盛店らしく満席だ。
10分ほど待って店内に入った。
タコライスとタコス、フライドポテトがワンプレートになっているセットを注文した。
辛くないサルサソースが特徴的で美味い。
また、塩で食べることも勧められ、食べてみるとタコスによく合う。
レタスは細目にカットされてフワフワ感があり、タコスのパリパリ感とマッチして絶妙で上品な味わいである。
「詰子ちゃん、タコライスはどう?」
「タコライスも美味しいけど、タコスを塩で食べるのが気に入っちゃった」
「確かに美味しいね」
詰子も気に入ったようで、階段で3階まで上がった甲斐があったというものだ。
タコライス以外にも沖縄グルメはある。
テレビを見ていると沖縄グルメの特集をよくやっていて、飲んだ後のシメにステーキを食べるという。
どこまで本当なのかよくわからないが、そう言われると一度は体験したくなるものだ。
ステーキハウス88国際通り店まで出かける。
はじめての店は何を頼んでいいのか分からない。
メニューにお勧めと書いてある88特選赤肉ステーキの150gを注文していただくことにした。
「詰子ちゃん、お肉はどう?」
「私は和牛ステーキよりも、こういったアメリカンなステーキのほうが好みかも」
「あっ、そう」
「でもアメリカンの美味しいステーキをあまり食べたことがないんだよね」
「なるほど」
「だからよく分からないけど、ステーキはまあまあかな。それよりステーキソースがいろいろあるのがいいね」
「じゃぁ、また来ようね」
「ん~」
「どうしたの?」
「ステーキ1回行くんだったら、せんべろに3回行くわ~」
「ハハハハ。そういうことか」
あとがき
ハイアットリージェンシー那覇から国際通りまでは徒歩で5分ほど。
なので、食事や買い物は国際通りに行くことになります。
国際通りは観光客ばかりで、修学旅行生やインバウンドの外国人がほとんど。
地元の人は国際通りに行かないようですね。
観光客向けとあって全てのものがそろっているけど、なかには明らかに割高なものもありますね。
それでも、とても魅力的な街には違いありません。
さて、名古屋出身の僕たちからすると、沖縄はとてもゆっくり時間が流れているように感じます。
沖縄時間と言われるものです。
それがどの程度なのか分かりませんが、慣れが必要かもしれません。
今回はいろいろ沖縄グルメを堪能できました。
まだまだ他にも美味しいものがあるはずなので、楽しみにしたいと思っています。
ここで写真を一気にアップします。
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