妻の詰子と沖縄旅行に来ている。
ビュッフェ形式の朝食は旅行の楽しみのひとつである。
どういう訳か、今日は朝からすごくお腹が空いている。
シェフがその場で焼いてくれるオムレツは芸術作品のように美しく、バターの香りとフワフワぷるぷるの食感がたまらない。
僕はご飯をおかわりしてガツガツとかきこむ。
「詰子ちゃん、クロワッサンも食べようかな」
「そんなに食べて大丈夫? またお腹が痛くなるよ」
「まぁ、大丈夫だよ」
「持ってきてあげようか?」
「うん、お願いします」
そう言うと、詰子がクロワッサンを焼いて持ってきてくれた。
次の日の朝食会場でちょっとしたハプニングがあった。
コンベアトースターの前で人が行列を作っていて、スタッフと客がコンベアトースターを指で指しながら、ああでもない、こうでもないとやっている。
どうやら壊れたようだ。
「詰子ちゃん、コンベアトースターが壊れたみたい」
「どうしたの?」
「コンベアが回らなくなったみたいだよ」
「そうなんだ」
そして翌日の朝食会場からトースターがなくなった。
「オツトくん、トースターがなくなってるよ」
「ホントだ。よく気づいたね」
「見れば分かるじゃん」
「ほぅ、いつ気づいたの?」
「ここに来て直ぐに気づきましたけど何か?」
ここぞとばかりに、得意げに言ってくる。
そんな詰子が食パンを取ってきた。
もちろん焼いてない。
それにバターをたっぷりと塗って頬張る。
「ここのパン美味しいね」
「うん、クロワッサンも美味しかったよ。焼いたらフワフワのサクサクだった」
「マジで? なんで教えてくれないの?」
「いやいや、俺が初日に食べてたの覚えてない?」
「私が焼いて持ってきたヤツだ」
「そうそう」
「あぁ〜、間違えた。クロワッサンを焼いて食べたかった」
「ハハハハ」
次の日にはトースターが復活していた。
あとがき
結局、詰子は後日クロワッサンを食べるのですが、焼かずに食べてました。
理由はそんな気分だったからだそうです。
ちなみに僕は焼いたほうが美味しいと思っています。
クロワッサンはホテルによって味が全く異なります。
ハイアットリージェンシー那覇のクロワッサンはサクサクしていて、とても美味しいので気に入ってます。
さて、朝食ビュッフェって、なぜか食べれるので不思議です。
美味しいからでしょうか。
食べ過ぎてしまうほどです。
歳なので朝昼晩と食べ過ぎると体が持ちません。
正直なところ、ホテルの料理も良いけど、街の居酒屋やB級グルメも楽しみたいので、食べすぎないようにするのが至難の業です。
今回は食べ過ぎることもなく、いろいろ沖縄グルメを楽しめたので、また書きたいと思います。
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