日記

オツト、またひとりでやらかす

僕は寝酒に焼酎を飲む。飲むときは決まってお湯割りだ。夏だろうが冬だろうが関係ない。お湯を沸かすときは電子レンジを使う。沸いたのでカップを取り出したら、アツアツのお湯が手にかかってしまった。「あっつ〜」妻の詰子を見ると、呆れた顔をして言ってく...
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オツト、出血する

風呂から上がって体を拭く。バスタオルを見ると僅かだが血が付いている。どこかから出血しているようだ。ヒゲを剃るときにカミソリで斬ったかと思い、鏡を見るがどこも傷になっていない。痛いところもない。綿棒で耳掃除をしながら考える。そういえば、顔を洗...
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リベルサスと100年人生

妻の詰子は医者の勧めでリベルサス(血糖を下げる薬)を服用している。巷で痩せる薬と言われているものだが、吐き気、食欲減退などの副作用があり、詰子は昨日から全く食事が喉を通らない。かなりツライようだ。「詰子ちゃん、大丈夫?」「はぁ〜、1日食べな...
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オツト、寝てるだけなのにうるさい

朝起きると、どうも体が重い。リビングに行くと妻の詰子が朝食を取っている。「詰子ちゃん、おはよう」「おはよう」「なんか、体がすごい疲れてるよ」「どうしたの?」詰子が心配そうに聞いてくる。「なんか、最近、俺、自分のいびきが聞こえてるような気がす...
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賞味期限は笑いで超える

お腹が空いたので何か食べようと冷蔵庫を開けた。奥に冷凍餃子を見つけたが、賞味期限を確認するととうの昔に切れている。妻の詰子に相談する。「詰子ちゃん、この餃子、賞味期限切れてるんだわ」「いつまで?」「去年の9月24日。ちょうど1年前だな」「ハ...
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今年も、月見の季節がやってきた

テレビのCMを見てると、季節柄「月見〇〇」「〇〇月見」という商品が流れてくる。妻の詰子が言う。「どこもかしこも、なんでも月見にすればいいと思っとるな」確かに詰子の言うことにも一理ある。だが、季節の訪れを告げる風物詩のように、この時期だけ姿を...
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今日は診察の日

妻の詰子は月に1回のペースで、医者で血液検査をしている。一番注意しなければならないのはHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)という値だ。病院の駐車場で待っていると、詰子が診察を終えて戻ってきた。「詰子ちゃん、今日の検査はどうだった?」「ちょ...
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見えない自販機と見えない未来

妻の詰子は、夜な夜な、我が家から歩いて三分ほどの距離にある事務所(詰子の職場)に出かける。誰もいない事務所でお茶を飲み、ひとりの時間を楽しんでいる。今日も出かけるのかどうか気になったので聞いてみた。「詰子ちゃん、今日も事務所に行くの?」「ち...
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詰子、夜勤に行く

近頃、妻の詰子に変な癖がついたようだ。詰子の職場は我が家から歩いて三分ほどで、坂道を下ればすぐに辿り着ける距離にある。夜になると「ちょっと夜勤に行ってくるわ」と言って玄関を出ていくのだ。向かう先は、職場のすぐそばにあるコンビニ。目的はただひ...
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聞こえてるようで、聞こえてない

僕は二つのことを同時にできない。テレビを見ながら他人と会話をするなんてもってのほかだ。妻の詰子が話しかけてくるが、テレビに集中しているせいで、その場しのぎの言葉を並べてるだけの曖昧な返答をしてしまう。「ちょっとオツトくん、さっきから全然、私...